[パンフレット] 353作品

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解説、プロダクションノートはパンフレットの表記そのままで掲載していますので誤字・脱字・旧字・旧仮名づかい等があります。ご了承下さい。

<ハ行>

ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録
ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場
パーフェクト サークル
始めか終わりか
パットン大戦車軍団
ハノーバー・ストリート 哀愁の街かど
パラダイス・アーミー
針の眼
遙かなる帰郷
遙かなる戦場
バルジ大作戦
パワープレイ
ハンバーガー・ヒル
ピエロの赤い鼻
ビスマルク号を撃沈せよ!
ヒトラーかく敗れたり
ひまわり
ヒンデンブルグ
ピンク・フロイド ザ・ウォール
ファイナル・カウントダウン
ファイヤーフォックス
フィラデルフィア・エクスペリメント
風雪の太陽
フォレスト・ガンプ 一期一会
深く静かに潜航せよ
武器よさらば
不滅の守備隊
プライベート・ライアン
プラトーン
ブラス・ターゲット
ブラックホーク・ダウン
ブリキの太鼓
ブルースが聞こえる
フルメタル・ジャケット
プレシディオの男たち
平和の谷
北京の55日
ベルリン陥落
ベルリン大攻防戦
ボージェスト
冒険者
ぼくの神さま
誇り高き戦場
北極の基地 潜航大作戦
ホット・ショット
ホット・ショット2
炎628

 

フォレスト・ガンプ 一期一会

1995年3月11日発行
発行所:東宝 出版・商品事業室
定価:600円
A4版32P(カバー付き)

[解説]

7月6日、全米公開と同時に“カンプ現象”を巻き起こし、『トゥルーライズ』『ライオン・キング』といった話題作を一気に抜き、興行成績第1位に躍り出た『フォレスト・ガンプ/一期一会』。今だに広がる感動の渦と共に早くも興収3億ドル突破目前、全米歴代興収第5位につけ、現在も記録を更新し、「タイム」「ニューズウィーク」誌などマスコミがこぞって特集を組み、絶賛した。そして、人間らしい笑いと涙に包まれた劇場で、今もなおフォレスト・ガンプは走り、生き続けている。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作で過去と未来を自在に操り、『ロジャー・ラビット』でアニメと実写を掛け合わせた映像の魔術師ロバートゼメキス監督が、オスカー俳優トム・ハンクスを迎え、アメリカ現代史のど真ん中を駆け抜けていった男の人生のドラマを、不思議な優しさに包み込んで描いた名作としてここに誕生させた。主人公フォレスト・ガンプを演じるのは、『フィラデルフィア』でアカデミー最優秀主演男優賞を手にしたトム・ハンクス。その充実した演技は、俳優としての存在を超えた共感を呼ぶ。女手ひとつでフォレストを育てる母親役にはサリー・フィールド。これまで2度アカデミー主演女優賞に輝いた彼女が、作品に温もりを与えてくれる。そして、フォレストが生涯をかけて愛する女性ジェニーには、『プリンセス・プライド・ストーリー』のロビン・ライトが好演する。無欲なフォレストがアメリカの輝かしい一面を歩むのとは対照的に、ジェニーは理想の人生を渇望しながらも、反戦運動からやがてドラッグに溺れ、いわばこの時代の不幸な一面をなぞっていく。その他、正にフォレストと一期一会といえる出会いを果たす陸軍の上官ダン小尉に『二十日鼠と人間』のゲイリー・シニーズ、戦友ババには『フリー・ウィリー』のミケルティ・ウィリアムソンが扮している。
原作は、86年にアメリカの作家ウィンストン・グルームが書いた同名小説。いち早くこの原作の量り知れぬ魅力に目をつけ、映画化を企画したプロデューサーは、ウェンディ・ファイナーマンとスティーブ・ティッシュ、そして『永遠に美しく…』のスティーブ・スターキー。脚色は『容疑者』のエリック・ロス。撮影は、『バック・トゥ〜』Ⅱ・Ⅲや『バック・ドラフト』の撮影班に加わったドン・バージェス。編集は『ロジャー・ラビット』でアカデミー賞を獲得したアーサー・シュミット。
また、約30年に及ぶこのエピックの背景には、年代を追って移りゆく風俗・文化・流行が丹念に描き込まれている。ヒッピーや反戦運動家、ミニスカート、パンタロンに長髪の男たち、ピース・マークも懐かしい。そして、流れるのは当時のヒット・チャートを賑わしたフォーク、ロックの名曲ばかり。ボブ・ディランの「風に吹かれて」、B.J.トーマスの「雨にぬれても」、ドアーズの「ハロー、アイ・ラブ・ユー」、スリー・ドッグ・ナイトの「喜びの世界」など全32曲に及んでいる。スコアは、『バック・トゥ〜』シリーズのアラン・シルヴェストリが担当。
そして、この作品には重要なキャストとして、ケネディを初めとする歴代大統領、アラバマ州知事ジョージ・ウォレス、それにエルヴィス・プレスリーにジョン・レノンといった過去の有名人たちが登場する。全米フィルム・ライブラリーから集められた記録フィルムやテレビの収録テープを活用して、こうした歴史上の人物と主人公フォレストとの“夢の共演”を実現させたのは、『ロジャー・ラビット』『永遠に美しく…」を含む4つのオスカー保持者ケン・ラルストンとILMのスタッフたち。大統領たちとフォレストとの謁見シーンでは、単に古いフィルムを抜き取って合成しただけではなく、ケネディやジョンソンに新たなセリフを語らせるといった新境地ともいえる映像のマジックを披露する。ドキュメンタリーと寓話をドッキングさせたことから、ゼメキス自身、この挑戦を“ドキュフェーブル”と名づけた。しかし、新しい試みの中で、何よりもこの作品には、映画が決して忘れてはならない“愛”が深く刻み込まれている。

[プロダクション・ノート]

●フォレスト・ガンプの生い立ち
プロダクション・デザイナーのリック・カーターが何よりも重要視したのは、フォレスト・ガンプが生まれ育った南部の風土を完壁に映画の中に再現することだった。
なぜならば、フォレストの南部人気質が、この物語に言葉では形容しがたいユーモアと暖かみを与えているからである。彼は南部のありとあらゆる州をロケハンして回った。その結果、選ばれたロケ地は、ジョージア、ノース・キャロライナ、ヴァーモンド、メイン、モンタナ、アリゾナと各州にわたっている。
「南部はロマンティックな場所なんだと知る初めてのチャンスでした。荘厳でありながら、同時にフォレストにとってはなじみ深い場所なんですね。ここはフォレストの故郷であり、世の中がいくら変わってもここだけは変わらない。彼がどんなに波瀾万丈の冒険をした後でも戻ってこれる安心な場所なんです」とリック。
サウス・キャロライナ州イェマッシーにある8000エーカーのブラッフ・プランテーション。ここがアラバマ州グリンボウで下宿屋を営むガンプ家、フォレストの生家に使われた。コンバヒー川に沿った1キロ近くある長い樫の木の並木。その端に、撮影隊は家を建て、まるで南北戦争の頃から建っているように見せかけた。セット・デコレーターのナンシー・ハイは、この家に由緒ある家具を配し、見事、生家を再現した。
皮肉なことに、このプランテーションは、その後、ベトナムのロケ地としても使われたのだが…。

●衣裳
コスチューム・デザイナーのジョアンナ・ジョンストンとコスチューム・スーパーバイザーのパム・ワイズもこの映画の衣裳に対するヒントを南部という土地柄から得た。
「名誉を重んじ、伝統を重んじる南部の一徹さの代表であるフォレストのお母さんからまず作業を始めました。彼女は常に身ぎれいにしていて、フォレストにもこの気風と価値観を植えつけるんですね」
ジョンストンがリサーチするにあたって何よりもありがたかったのは、ディスファーマーなる写真家の写真集。
「南部の50年代初期のスタイルは、世間の40年代後半とかなり似ているんです。プリントはファッショナブルですが、女性はどんなにくだけた場合でも、常に帽子をかぶっていました」
ジョンストンは、正真正銘の40年代のプリント生地を見つけ、母親の衣裳に全部これを使用した。だが、フォレストに関しては、かなりストレートな、基本的なアメリカン・ルックが採用された。ハンクスは、この映画で89回の衣裳替えをするが、キャラクターに合わせて、特に変わったルックにはしなかったとジョンストンは語る。
「だって母親がいたら、きっとフォレストにこう言っているわ。洋服なんかそんなもんでいいのよ。なぜ、わざわざ人と違うようにしなければいけないの?」
それとは対照的に、ジェニーの衣裳は、その時代時代の最先端を行く衣裳になった。ジョンストンはこう見ている。「ジェニーは、人生でもいろいろなことをやったように、きっと何でも試してみるでしょうから」

●ルック(光)
撮影監督ドン・バージェスは、フォレストのストーリーの実録的な感じを出す部分では、撮影する際、アナモフィック・レンズ(歪像レンズ)を使用することにした。バージェスは言う。「このスタイルだと、パラレル・ワールドのように世の中と同時進行するフォレストのユニークな視点を見せながら、しかも2つの世界が共存するところを見せられるんです」
さらにバージェスは言う。「1950年代、南部でのフォレストの少年時代には、われわれはフィルターを駆使しました。ベトナム戦争時代とかジェニーの体験とか、1960年代に入るにつれて、きびきびとしたニュース・フィルムとか、かなりきついライティングになりますから、それとは対照的に、こちらはもっと柔らかい素朴な世界を出すために、フィルターを多用したんです」
美しいロケ撮影では、バージェスは映像的に画期的な方法を採用した。普通、小型飛行機が空港の位置を探り出すのに使うGPS(地球における位置を確認する衛星)というコンピュータを使用した装置を使い、バージェスは気象衛星と連絡をとりながら、どのロケ地にいても、1日のどの時点でも、正確に太陽の位置を知ることができるようにしたのだ。
「この映画は85%が日中のロケ撮影ですから、たとえばカンプ家を最初に見せるところとか、最初にキャラクターを見せるところとか、この映画の重要なところで最高のライティングをえるために、GPSは大いに力を発揮したのです」

●平和集会の再現
リンカーン・メモリアルとリフレクティング・プールで行なわれた60年代の平和集会を再現するため、撮影隊はワシントンに向かった。この時代の時の人を紹介するために、アビー・ホフマン(過激派のリーダー)、コレッタ・スコット・キング(マーチン・ルーサー・キング牧師の未亡人で市民権運動のリーダー)、PPM(有名なフォーク・グループ)、ジェリー・ルービン(ヒッピーの教祖的な存在)、スポック博士(育児書がベストセラーに、後に大統領選にも出馬)らのそっくりさんが集められた。
総勢1500人のエキストラが、ヒッピーから主婦、学生にいたるまで、ありとあらゆるデモの参加者を演じた。視覚効果のスーパーバイザーであるラルストンは、抗議デモのシーンの1500人が、いかにして何十万人に見えるようになったかを、説明している。
「我々はリフレクティング・プールのまわりにいる700人のグループをいろんな位置から撮影して、それぞれ前の位置とずれるようにします。その2つを、ポストプロダクションの段階で行なわれるデジタル・プロセスで、合成させるのです」
このテクニックを可能にするために使用されるカメラは、『ザ・シークレット・サービス』で使われ、今度の『フォレスト・ガンプ』でさらに磨きがかけられた<トンドロー>と呼ばれるカメラだ。
『フォレスト・ガンプ』は、ワシントンの市当局と国立公園課から、リフレクティング・プールの中で撮影する許可をもらった最初の映画である。このリフレクティング・プールでハンクスとライトが飛び込みをするシーンの準備のため、国立公園課とこの映画の美術部は実際にプールに入り、清掃を行なわねばならなかった。

●歴史的人物との遭遇
数週間のロサンゼルスでの撮影では、フォレストが歴史的瞬間に遭遇するシーンを撮るため、パラマウントのスタジオでさまざまな撮影を行なった。第31スタジオの一部には、いわゆるオーヴァル・オフィス=大統領執務室が作られ、ここでフォレストはかつての大統領ケネディやジョンソン、そしてニクソンと出会うことになる。このセットのすぐ後ろには、リック・カーターが作ったチャイナ・パビリオンがあり、フォレストはそこで1971年の卓球選手権の決勝戦を行なうのだ。ILMにとっていちばんやりがいのある仕事は、現存するニュース映画の歴史的なシーンに、さもフォレスト・ガンプが実際に登場するように見せる技術を開発することだった。例えば、フォレストが大統領執務室でケネディと会い、全米選抜のフットボール選手に選ばれた祝福を受けるところ。ケネディのシークェンスは、実は3本のニュース映画の別々のソースから作られている。
フォレストの姿をニュース映画の中のあらゆる影、あらゆる傷、あらゆる動きに入念に対応させ、ブレンドさせることが目的であり、そのショットをどうやって振りつけるか、どういう照明にするか(照明は他と完壁にマッチしなければならない)が、とても重要だった。60年代初期に撮影された16ミリのニュース映画は、手持ちでかなり不安定だったので、同じタイプの16ミリカメラで撮り、できるだけリアルに、ドキュメンタリー・タッチに見えるようにした。
ケネディがローズ・ガーデンでペン州立大学のフットボール・チームと会うところから第1の素材が選ばれた。デジタル・コンピュータのプロセスで、ILMはそのニュース映画からケネディの姿だけを抜き取り、ポスト・プロダクションの段階で再びデジタル・プロセスを経て、あらかじめ撮影しておいた大統領執務室のシーンにこのケネディの姿を合成するのだ。(視覚効果に使われる『フォレスト・ガンプ』のあらゆるシークェンスはビスタ・ビジョンで撮影された。このカメラに使われるネガは大きいため、デジタル処理でシーンに手を加える時、クオリティを高く保てるのだ。)
第2の素材は、最初の“平和部隊”のボランティアたちとケネディがオーヴァル・ルームで握手しているシーンだった。ハンクス、全米選抜の選手を演じる役者たち、そしてケネディの声を担当している俳優は撮影が始まる前に、ニュース映画のボランティアたちそれぞれの動きに合わせて入念に稽古をした。この撮影はブルー・スクリーン・プロセスで行なわれた。スクリーンにはニュース映画の中のケネディの動きと、ボランティアの動きに合わせるために、あらかじめ目線を示す明かりがついていた。ホスト・プロダクションの作業で、俳優たちの姿がボランティアの姿と差し替えになり、ケネディとともにスクリーンに融合することになった。
第3段階は、肩ごしに振り返るケネディの姿をニュース映画から採る部分。ケネディがボーイスカウト・オブ・アメリカから名誉会員に選ばれ、その授与式のシーンからこれは採られた。ここでもブルー・スクリーンの技術が使われ、ケネディの声優はセリフ入りで撮影され、そのセリフはシラブルにまで“落とされ”、つまりデジタル化されて、ケネディの口の部分だけが合成され、声優の口と合うようにされたのである。