[パンフレット] 353作品

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解説、プロダクションノートはパンフレットの表記そのままで掲載していますので誤字・脱字・旧字・旧仮名づかい等があります。ご了承下さい。

<ハ行>

ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録
ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場
パーフェクト サークル
始めか終わりか
パットン大戦車軍団
ハノーバー・ストリート 哀愁の街かど
パラダイス・アーミー
針の眼
遙かなる帰郷
遙かなる戦場
バルジ大作戦
パワープレイ
ハンバーガー・ヒル
ピエロの赤い鼻
ビスマルク号を撃沈せよ!
ヒトラーかく敗れたり
ひまわり
ヒンデンブルグ
ピンク・フロイド ザ・ウォール
ファイナル・カウントダウン
ファイヤーフォックス
フィラデルフィア・エクスペリメント
風雪の太陽
フォレスト・ガンプ 一期一会
深く静かに潜航せよ
武器よさらば
不滅の守備隊
プライベート・ライアン
プラトーン
ブラス・ターゲット
ブラックホーク・ダウン
ブリキの太鼓
ブルースが聞こえる
フルメタル・ジャケット
プレシディオの男たち
平和の谷
北京の55日
ベルリン陥落
ベルリン大攻防戦
ボージェスト
冒険者
ぼくの神さま
誇り高き戦場
北極の基地 潜航大作戦
ホット・ショット
ホット・ショット2
炎628

 

北極の基地 潜航大作戦

昭和43年12月20日発行
発行所:東宝株式会社事業・開発部
発行権者:MGM映画会社
A4版36P

[解説]

 500キロの上空からマッチ箱が写せるという超高性のイギリス製カメラと、超感度のアメリカ製16ミリ・フィルムを載せて、ソ連の人工衛星が地球を回
っている。
 この事件の発端は、一見いかにも国際協調的だが、このカメラもフィルムも、ソ連が盗み出したものだ。しかもこの衛星は、日に7回アメリカの上空を飛んで、軌道上から同国のミサイル基地を撮影し続けている。
 だが、無心なカメラは、軌道の関係で、ソ連のミサイル基地をも、同じように撮影し続けているのだ。そこで、このフィルムの回収をめぐり、一触即発の戦争の危険をもはらむ、し烈な米ソの斗争が、必然的に起こって来る。
 衛星操作の手違いから、ソ連は、問題のフィルムを、北極の氷原上に設営されたイギリスの気象観測基地で回収しなければならなくなって、基地は、時ならぬ火災や爆発のため、全滅の危機にさらされる。観測隊員救出に名を借り、アメリカの原子力潜水艦が、氷原の下をくぐって海から現地に急行すれば、ソ連は、天候の回復を待って、ジェット機の編隊を発進させる。
 何としても、あのフィルムは渡せない。この双方の執念は、民間の学術的気象観測基地を、全面戦争の危険をはらむ、恐るべき斗争のるつぼと化してしまう。
 原作は、「ナバロンの要塞」を書いたアリステア・マクリーンの世界的ベストセラー小説で、「ダンディー少佐」のハリー・ジュリアン・フィンクが、まず映画用のストーリーにし、「ボージェスト」のダグラス・ヘイズが脚色した。監督は、「墓石と決斗」「大脱走」「OK牧場の決斗」など、緊迫とスリルのアクション物を得意とする巨匠ジョン・スタージェスである。
 撮影監督は、「ウェスト・サイド物語」「大脱走」などの名手ダニエル・L・ファップで、北極圏での撮影には、ジョン・M・スティーブンスとネルソン・タイラーが当った。音楽は「今宵かぎりの恋」「華麗なる賭け」などのミシェル・ルグランである。
 主な出演者は、「トブルク戦線」「目かくし」などのロック・ハドソン、「特攻大作戦」「砦のガンベルト」などのアーネスト・ボーグナイン、「まぼろし密輸団」「トマシーナの三つの生命」などのイギリス俳優パトリック・マッグーハン、「戦争プロフェショナル」「特攻大作戦」などのジム・ブラウンらをはじめ、「地球を盗む男」のトニー・ビル、「ダブルマン」のロイド・ノーラン、スウェーデン生れのアルフ・チェリン、「冷血」のジェラルド・S・オラフリン、「歩け走るな!」のテッド・ハートリー、オリンピックの水泳選手だったマーレイ・ローズなど、オール男性陣である。
 「いそしぎ」「シンシナティ・キッド」などのマーティン・ランソホフが製作に当った1968年度フィルムウェイズ・MGMの、メトロカラー・超ステレオ音響のシネラマ作品である。

[プロダクション・ノート]

 スペクタクル・シーンは「潜航大作戦」の中でも最もスリルのある部分である。カメラマン連の大胆な仕事ぶりは、それ自体が映画の主人公達の活躍にも似ている。撮影監督はアカデミー賞を受賞したダニエル・L・ファップである。アクション・シーンの撮影は、「グラン・プリ」で自らもオートレースに加わって、レースの光景を撮ったというジョン・スティーブンスが担当。「グランプリ」以后、彼が一体何を可能としたか?その答えが「北極の基地・潜航大作戦」である。
 スティーブンスと助手ジョンカイザーは、サン・ディエゴ軍港にロケし潜水艦ロンクェル号の船体に撮影器材を固定し、そこから艦が潜水、浮上する光景を収めた。極地シーン撮影のため北極点から320キロの地点まで足を伸した。スティーブンスは、牙をむく北極の氷原上を僅か15メートルの低空飛行をして、機体の下に特製の「風船」をつけて、撮影を強行した。これは、まさしくスティーブンスの独壇場である。
 「北極の基地・潜航大作戦」のスタッフのうちでも最も重要なメンバーは、技術、美術専門の人達で、桁はずれのセットと度胆を抜くシーンを作った。例えば、この作品には女性は一人も出てこないが一一実は原子力潜水艦タイガーフィッシュ号がこの映画の文主人公といえる。彼女はどの様に作られたのか?
 スタージェス監督によれば「潜水艦の外部撮影には海軍の協力が得られたが、まさかこの何百万ドルもする巨艦を5ヵ月もの間、我々の自由に使うわけにはいかなかった。そこで美術監督(アディソン・ハー)と助手は引揚げ難破船置場に忍び込んだ。そこで、本物の潜水艦のとてつもなく大きな部品潜望鏡、回転儀、海図盤、水深計、計器盤、艙口扇、塵芥処理器等、魚雷以外のありとあらゆる物を寄せ集めたのだ。そして6ヵ月後、撮影カメラが廻り始める前に、タイガーフィッシュ号は建造されたのである。
 MGM美術部のチーフ、ジョージ・W・デイビスの話では、「戦艦バウンティ」以来最も大規模な撮影用造船であった。タイガーフィッシュ号は6個の部分に分けて建造されたが、それを並べると全長90メートルとなり、ローズボールに匹敵する。第7番目の部分は展望塔で、三層デッキの艦体の上にたてると5階建の建物と同じ高さになる。各部分は水力式の揺り子の上に載っていて、23度の傾斜まで傾いたり、水中に潜ることが出来る様になっている。この装置によって、例のシーン──何者かが開放した魚雷管から海水が噴入し、艦が窮地に追い込まれるシーンの撮影が可能になった。管から噴火する水の圧力は1平方インチに当り1100ポンドであった! この緊迫したシーンの劇的な臨場感を現出するために、始めて用状シネラマ・スクリーンが用いられたのである。
 その他、ごく限られた人しか観たことのない珍しい風景がMGMの第3スタジオに再現された。それはアメリカ海軍の潜水艦スケート号が1958年8月12日に地球の最北点で撮った写真を基に、丹念に再現された北極である。稀にみる現実感とすばらしい緊迫感を誇る「北極の基地・潜航大作戦」には、膨大な製作費が惜みなく投ぜられたのである。