[パンフレット] 353作品

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解説、プロダクションノートはパンフレットの表記そのままで掲載していますので誤字・脱字・旧字・旧仮名づかい等があります。ご了承下さい。

<ラ行>

ライアンの娘
雷撃命令
ライジング・サン
ラインの仮橋(2種類)
裸者と死者
ラスト・キャッスル
ラスト・サムライ
ランボー
ランボー 怒りの脱出
ランボー3 怒りのアフガン
リトル・ドラマー・ガール
掠奪戦線
リリー・マルレーン
ルシアンの青春
レニングラード攻防戦
レッド・オクトーバーを追え!
レッド・スコルピオン
レマゲン鉄橋
ローマを占領した鳩
ローリングサンダー
ロケッティア
ロベレ将軍

 

レッド・スコルピオン

平成元年1月28日発行
発行所:松竹株式会社事業部
発行承認:日本ヘラルド映画株式会社
定価400円
A4版24P

[解説]

 アメリカ映画界にとてつもない大物アクション・スターか誕生した。S・スタローン、A・シュワルツェネッガーをはるかに凌ぐ肉体とパワーを持った男、ドルフ・ラングレンの登場である。
 「ロッキー4/炎の友情」のソ連人ボクサー、イワン・ドラコ役でスタローンを喰う鮮烈なデビューを果したラングレンは間違いなく'89年最大の話題を呼ぶスターとなろう。なにしろ「マスターズ/超空の覇者」「ザ・パニッシヤー」、そして来春撮影に入る「ダーク・エンジェル」と主演待機作が目白押しなのだ。そのラングレンの主演日本公開第一作が本作『レッド・スコルピオン』。彼の魅力の全てをみせる超大型アクション映画である。
 ここでランクレンが扮するのは映画デビュー作「007/美しき獲物たち」のKGBエージェント、「ロッキー4」のボクサー役に続いてまたしてもソビエト人の役、ソ連陸軍特殊部隊最強の兵士で殺人マシーンと恐れられるニコライというキャラクターだ。彼は反政府勢力の指導者暗殺の使命を帯びて、アフリカ南部の共産主義国家に潜入する。端正なマスクを際立たせる無表情、日本の極真カラテ2段(第2回全世界空手道選手権大会にスウェーデン代表として出場したこともある)という本物の肉体が“殺人マシーン”にリアリティを与える。当然、スタントも吹替えなし。銃をぶっ放ち、バイクからトラックに乗り移り、カラテでバンのドアをへこませ、厳しい拷問にも耐える。ここまでは従来のラングレン映画と変わらない。しかしオーストラリアのシドニー大学とロイヤル・インスティチュート・オブ・テクノロジーで学位を得、マサチューセッツ工科大学に進学しようというときに演劇界にスカウトされたインテリである。これまでと同様の役に甘んじることはない。ラングレンの殺人マシーンはソビエトの教条主義に陥いることなく民衆に同情し、革命派リーダーの人物を正しく認識する。が、そのために作戦に失敗、同胞からも追われることになる。にもかかわらずブッシュマンというまったく異なる文化体系をもつ人達に多くを学び、ついに自身の信じるもののために立ち上がるのだ。『レッド・スコルピオン』はたんなるドンバチのみのアクション映画ではない。ラングレンという俳優の人格をフルに解放した文字通りの異色痛快アクション映画なのである。
 当初からラングレンを想定した原案はロバート・アブラモフ(総指揮兼)とジャック・アブラモフ(製作兼)の2人。さらに26歳の新鋭アーン・オールセンがストーリーを練り、脚本をまとめた。この脚本を得て、ハードなアクションと感動の人間ドラマをフィルムに定着させたのはジョセフ・ジトー監督。「ローズマリー」「13日の金曜日・完結編」のホラー・スプラッター監督から「地獄のヒーロー」「地獄のコマンド」のアクション監督に転じたマネーメイキング監督だ。
 スタッフは“13金”以来のジトー作品の常連であるジョー・フェルナンデス(撮影)、ラディスラフ・ウィルハイム(美術)、ダン・ローエンタール(編集)の面々に加え、“スプラッター・メイクの帝王”といわれる特殊メイク・アーチスト、トム・サビーニまでがクレジットされている。なおオリジナル音楽はジェイ・チャタウェイか担当しているが、挿入曲に“悪魔のモリー”“ジェニー・ジェニー”“のっぽのサリー”といったリトル・リチャードの往年のヒット曲が使われ、効果をあげている。
 出演はラングレンのほか、アメリカ人ジャーナリストのファーガソンに「ブラッド・シンプル」のM・エメット・ウオルシュ(ジトーいわく「大声でしやべるジャーナリストには完壁!」)、革命派No.2カルンダに「WANTED/ウォンテッド」のアル・ホワイト、チェコ軍将校クラスノフに「ブレードランナー」「XYZマーダーズ」のプライオン・ジェームス、フォルテーク将軍に「わらの犬」のT・P・マッケンナ、キューバ軍将校ザヤスに「眠れぬ夜のために」のカーメン・アルジェンチアノ、同軍メンデスに「地獄のコマンド」のアレックス・コロンといった超個性派を配し、ラングレンをいっそう盛り立たせている。

[プロダクション・ノート]

●この映画の企画を考え出したのは、総指揮のロバート・アブラモフとプロデューサーのジャック・アブラモフの二人だ。彼等は、「ロッキー4」のソ連の科学が生んだボクサー、イワン・ドラゴ役のラングレンを観て、彼が必ずやアクション・ヒーローになると感じた。「ドルフのための映画を作りたい。それが、最初の動機さ」ロバート・アブラモフは言う。「僕らには、ドルフが、光輝く新星に見えたよ」

●ラングレンの星の輝きには、まさに流星のような勢いがある。監督ジョセフ・ジトーは、こう言う。「彼こそ、次のタフガイ・ヒーローだ。彼は、ハンサムで実にいかしてる。若い連中にとっては、すごく魅力的さ。それに、気違いみたいにタフな男だよ」

●ラングレンと同様に重要だったのは、恐らく、ストーリーだろう。ジトーは、次のように説明してくれた。「ここに、アクション映画が行くべき一つの道がある。他のはとんどのアクションものとは違う。これは、ある主人公が只一人、A地点からB地点に移動しながら、第3世界の人々を殺すといった物語ではない」主人公をソ連のエージェントにした事で、自ずとこの映貞は、通常のアクションものとは、色合いが違って来る。又脚本家のアーン・オールセンはこう付け加えた。「ニコライは、新しいタイプのスーパーヒーローさ。彼は、変化する。ブッシュマンの心に触れ、彼は、生まれ変わり、信じるもののために闘う事を学ぶんだ」

●脚本が出来上がるとすぐに、アブラモフ兄弟は、アクション映画監督の第一人者ジトーを雇った。ジトーは、キャノン映画で、最もヒットし、6千万ドル以上の興収を上げただけでなく,チャック・ノリスを大スターにした「地獄のヒーロー」「地獄のコマンド」を手掛けた監督だ。アブラモフ兄弟は、ジトーが、ラングレンに同じ何かを与えてくれると期待したのである。ジトーは監督を担当するに当り、自分のスタッフを連れて来た。撮影ジョー・フェルナンデス、プロダクション・デザイナーのラディスラフ・ウィルハイム、編集のダン・ローエンタールが、ジトー一家の面々だ。彼らこそ、「地獄のヒーロー」「地獄のコマンド」「13日の金曜日・完結点」を生み出したスタッフである。

●撮影はアフリカのナミビアで約4ヵ月半に渡って行われた。軍の基地から、原住民の村まで全て、この映画のために建てられたものだ。これを手掛けたのは、プロダクション・デザイナーのウィルハイムで、彼の説明によると、一時期、建築だけで120名、美術部門に、200名が働いていたと言う。ソ連の軍キャンプの建築だけで、3ヵ月かかった。衣裳デザインのリチャード・ブルーノは、何百もの俳優やエキストラの衣裳を用意せねばならなかった。その大部分は、軍服で、黄色い砂漠にくっきり映える様にデザインされている。

●リアリズムを重視するジトーは、ミニチュアを使う事を拒んだ。特殊効果を担当したのは、007映画や最近では、「フルメタル・ジャケット」を手掛けたジョン・エバンズで、彼は、その技術を駆使し、爆発、炎上シーンをリアルにしている。数百人ものエキストラが動員されたある戦闘シーンの撮影には、35回の爆発が起こされている。こうした困難な撮影にもかかわらず、プロフェッショナルなスタッフとキャストの努力によって、全ては、スムーズに運び、はば予定通りの日数で撮影が終了した。

●この成功の鍵となったのは、ラングレンだ。自ら数々の危険なスタントに挑戦。ラングレンは、文句一つこばさず、快くスタントをこなした。又、スウェーデンの海軍で訓練を受けた科学兵器を使わぬ、素手の戦闘技術を映画に取入れたのも、ラングレン自身だ。加えて、言葉の問題でも、ラングレンの才能が、ものを言った。この映画で、彼は、ロシア語をパーフェクトに話さなければならないし、又、ブッシュマンの言語をマスターせねばならなかった。ラングレンは、実際、6カ国語話せ、言語アクセントを巧みに操る事ができるのだ。ジトーは言う。「彼は、一緒に働く相手としては、最高だね」他のスタッフやキャストも勿論だが、一番の頑張り屋は、ラングレンだった。スタントも全て彼自身である。特に危険だったのは、走るトラックから、バイクに乗り移り、又、戻るというシーンだが、その他にも、生きているサソリが二匹、彼の背中に這上がり、次の瞬問、その背でお互いを刺し合うというシーンがある。これは、保険金杜のブラック・リストに載せられそうな危険を伴ったが、あえて映画につけ加えられたと言う。「観客にとっては、主役スターが自分でスタントをしているのを見る事ができるというのは、すばらしいだろうね」とジトーは語る。